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プロローグ
石川の山奥に地図にはのらない村があった。
その隠れ里に住む一族は、鎌倉の時代から続く忍(しのび)である。
ひたすら己の技を研き、その時代ごとの権力者の警護、敵の暗殺を委(まか)されてきた。
その里では優秀な遺伝子のかけあわせと技の継承により、常に最強の忍を生み出す努力が続けられきたが、遂に一族最強の忍が完成した。
それがくのいち、阿也小路(あやのこうじ) アヤメである。
今年16のスラリとした和風美少女であった。
アヤメは長い黒髪をはねさせ
「だ か ら、こんな山奥で一生を終わらせたくないの!来月には絶対出て行くんだからね!」
向かいに座る髪の長い美中年は陣九郎。
アヤメの父親である。
「だ か ら、はこちらのセリフだ。
これから先、任務がある時は連れて行ってやると言っただろ?
お前は一族最高の身体能力、暗殺術の使い手、我ら阿也小路の宝だ。」
「でも任務って、それ終わったらすぐまたこの里に帰ってくるんでしょ?
それにその任務だって一年に一回あるかないかじゃない!」
陣九郎は茶をすすり
「なんだ?欲しいものは買い与えてやっているだろう?何が不満だ?」
アヤメはちょっと考え
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