目を閉じたら、別れてください。

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怒ってる。早口で、こっちに言い訳を言わせない畳みかける言葉。 怒ってるよね、とおずおずと視線をむけると足を組みなおした進歩さんが私の髪を撫でた。 「……で、幸せか」 「私のためにネクタイ斜めにして駆け付けてくれるダーリンがいるので幸せです」 「そうか」 「ダイエットもう、しない。無理なのは」 「そうしろ。俺の体がいくつあっても足りん。焦って体調悪い部下を置き去りにしてしまったじゃんか」 あーあ、と頭を掻きながら恥ずかしそうにしている。 進歩さんでも仕事で失敗してしまうことがあるんだ。 「あとな、ダイエットで胸から減るらしいぞ」 「は!? ばか!」 「お前に紹介したエステサロンの社長が言ってたからまじ。お前、せっかくなかなかの」 「馬鹿じゃないの!」 せっかくときめいていたのに、本当に酷い。 いいんだもん。胸は詰めれば誤魔化せるし。 でもお腹が空きすぎて、尚且つ貧血で倒れて、いろんな人に迷惑かけたことは反省する。 こんな風に仕事中に駆け付けてくれた、大切な人がいるのに自分勝手に暴走したことは、大人として浅量の行動だったと思っている。 「本当に重い病気かと思ったじゃねえか」
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