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それから1年。
2-3回に1度は怪我してくるこいつに手当を施すのが俺の役目になってしまっている。
「今日は俺悪くねぇし」
「はいはい。何が原因だったん?」
単純につっかかれたのか、逆恨みか、それとも女関係?
さあどれだ。と思っていたら全然違かった。
「…お前に」
「俺?」
「俺には勝てないからって、お前に手を出すとか言うから。そんで」
「喧嘩したん?バッカやろ」
呆れてものも言えない。いや罵倒はするけどな??
「なん?俺がお前に勝てへんような輩に負けるとでも思うてるん?馬鹿にするんやなかよ、そない雑魚に負けると思うてか」
「思ってなんかねぇけどよ、気づいたら買ってたんだから仕方ないだろ…」
ちょっと怒気を現しながら威圧すると、不貞腐れたようにそう言われた。
「アンタ、…アホやなぁ」
最初に怪我を見た時よりも呆れた声音が出た。
初めは気まぐれな、懐かない猫みたいだったのに。いつの間にこんなデレてくれるようになったのだろうか。
「いって!」
包帯を巻き終わった手を軽く叩いてその場に寝転ぶ。
「なにすんだよ…」
「はいはい。もうええからアンタも寝ぇや」
あー空が青いなぁ。
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