題【魔法ーマジックー】

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__そういや今まで俺の事知ってる奴の前で見せたことって無かったな 。 そう考えながらぼんやりと目の前の人物をじっと見つめる。 職業柄というかなんというか、俺は人の驚く顔が好きだ。 自分のやった事で、他人が面白いほど表情を変えるのを見るのが好きだ。 だからつい、思ってしまった。 今ここで自分が手品を披露したら、コイツはどんな表情をするだろうか…と。 頭の中で素早く計画を立てて、トランクケースを膝に乗せるとその蝶番に手をかけながら、首をかしげてる奴に目を向けた。 「……知りたいか?」 にやりと笑って、わざとらしく問いかける。 「おう!何が入ってんだ!?」 「ふはっ。ただ聞いただけだろ? ほら」 奴のキラキラした顔を見て一笑すると、鞄を開けて中から取り出したものを放った。 慌てたようにそれをキャッチした奴は、その手の中のものを見てポカンとした顔をした。 それはそうだろう。ムカつくことにデカイ奴の手の中にあったのは、小さな可愛らしいウサギのぬいぐるみだ。
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