第一部 序章

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「今日はこいつな。彼女とヤルにも童貞だと恥ずかしいんだとよ」  珍しく声をかけられた。  タカシに連れられてきた男に視線を向けた。そいつは学校で何度か顔を見たことのある同級生。  タカシが立ち去った、無音の俺の部屋。  俺は立ち尽くしているその童貞野郎のベルトに手をかけ前を開けると、緊張で縮こまった性器を持ち上げ、口に含んだ。     『俺と付き合って欲しい』  タカシは言った。    あれほど嬉しいと思った瞬間はなかった。  ずっと誰にも打ち明けられない恋心をタカシに抱いていたから。  何度か体を重ねた。  セックスは痛いものだった。全く気持ちいいものじゃなかった。後ろで気持ちよくなれるなんて幻想だった。  けれど、タカシが俺に突っ込んで息を弾ませて腰を振るのが嬉しかった。中だしされるのは苦痛だったけれど、俺で気持ちよくなってくれたと思うと、幸せだった。    数回の行為の後の怠さと痛さに耐えていると、タカシが部屋に誰かを招き入れた。    その時から、この『遊び』は始まった。  タカシに見られながら、数人の男に犯され、写真とビデオを撮られた。  それ以来、タカシは誰かを連れて来ては、そいつを置いて部屋を去る。     
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