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怒っているのはこちらだというのに。
しかし、俺の怒りも全く通じず、ギルベルトはひたすら貢いできた。街で流行のお菓子や食べ物、珍しい美術品や宝石に至るまで。
その品物をティーロに直接渡すわけではなく、俺まで持ってくる所を見ると、自分が何をしでかしたのかは理解しているのだろう。
来るのであれば、ティーロに絶対に近づかないように、という条件を付け、貢物を受け取ることにした。
ティーロに一度見せて興味を持てば取って置き、後は売る。その金はティーロのために貯めることにした。謂わば慰謝料のようなものだ。
ティーロはギルベルトが俺の異母兄弟と知って、本来危険な人物ではないと感じたのかもしれない。比較的落ち着いた様子を見せていた。
だからといって許せるものではない。兄がやったのはただのレイプであり、極刑もありうる話なのだから。
ただ、貸しがある状態なら、ティーロの助けになることもある。王族に敵対するより、俺はそちらを選んだ。
ティーロを俺の寝室で寝かせるようになってから、ティーロの精神状態は大きく改善した。毎夜魘されてはいるものの、俺を見て安心した表情を浮かべて再び眠りにつく様子を見て、首輪を取ることを決心した。
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