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出会いと解放
怒号、というのだろうか。
悲鳴、というのだろうか。
その声を聞いたそいつらは俺の口の中と腹の奥に精液を放つと、性器をしまい、その声の方に向かっていた。
なにが起きたのかなんて、興味がなかった。
誰もいなくなった部屋の堅い床に体を横たえて、ぼーっとその喧騒を遠くに聞いていた。
いつの間にか、眠っていたらしく、慌てて身体を起こした。
ずいぶん長く眠ったような気がした。たたき起こされることなく、こんなに深く眠れたのはいつぶりだろう。
さらっと肌に布が触れる感触があり、自分の体を見遣ると、服を着ていた。チュニックのようなゆったりとしたもの。
しかも俺が寝ているのは清潔感のあるベッド。
また夢を見てるのかもしれない。
あちらが夢か、こちらが夢か。
夢だとしても気持ちいいベッドで寝れるならいい、と俺はもう一度寝転んだ。
首に違和感を感じて触ると、そこに首輪はなかった。
やはり夢?
また襲ってきた眠気に目を閉じようとすると、ドアがガチャリと音を立てた。
俺は体を急いで起こし、床に降りて、這いつくばるように身を伏せた。もうそれは体に馴染んだ癖だった。
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