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なぜだ。 なぜ、何故あの蝶が此処にいる…!? あまりの事に思考が疑問に覆いつくされる。 はっとして意識を蝶へ戻すと、それはひらひらとどこかへ向かっていた。 意識はして居なかったが、気付いたら追いかけるために腰を上げてる自分がいた。 夢と同じように。 あの夢を最後まで見たことはない。 延々と蝶を追いかけ続け、いつの間にか目が覚めていると言うのが常だ。 夢と現実が繋がって居るとは思わない。そんなものは現実的ではない。 だが、延々見続けたあの蝶を見間違えたとも思えない。 これは白昼夢か何かだろうか…。 思考を巡らせながらも視線が蝶から外れる事は無い。 彼方にひらひら。 此方にひらひら。 留まること無く。 何処かへと誘われているかのようだ。
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