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プロローグ
父親の急死からまだ1年。
若冠25歳の女領主リムは、文字通り頭を抱えていた。
頭痛の原因はここ最近、この領地カバンネにも、魔王の勢力拡大が押し寄せており、もはや自警団では、まともに対抗出来なくなってきていたからだ。
そこへ執事の老カルマが、温かい茶と良い知らせを持ってきた。
「リム様、喜んで下さい。
今しがた、我等が待ちかねた王都よりの召喚師が参りました。
直ぐにお会いになりますか?」
リムはハッと顔を上げ
「もちろんよカルマ!待たせては失礼です!直ぐにここへ!」
10分後。
領主の館、客間。
正装に着替えたリム
「あのー……」
単眼鏡を押さえ、女領主は遠慮がちに、目の前のアップルパイに夢中の、5、6歳にしか見えない、大きな帽子の美しい少女に話しかけた。
トンガリ帽子の美少女
「うあー、美味しー!
エヘヘー、こんなの都では食べたことないなー。
やっぱり田舎はリンゴが良いのかなー?」
頬までベタベタにしている。
リムが咳払い
「ゴホン、あのー召喚師、様?
ご堪能のところ、申し訳ありませんけど……」
トンガリ帽子の美少女は、何かを思い出した
「あーこれー!お師匠様の手紙ー!」
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