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コンコン、 とドアを叩く音がしたので、 クラス中がドアの方向を見る。
ドアが開くと、そこには艶やかな黒髪ロングの女性が立っていた……無表情で。
そう、赤薙先輩が来たのだ。
「先生、 このクラスに金髪を茶髪にし忘れた身長の高いちょっと抜けてる男子生徒、 篠宮 鈴都君はいらっしゃいますでしょうか」
先輩、 何てこと言ってんすか……そして何で髪の毛染め忘れたこと知ってんすか。
それより、 何で名前知ってんすか。
「あ? 篠宮ならそこに居るが、 どうしたんだ?」
先生、 良い加減頭掻くのやめなよ。
先輩はこっちを向いて凄く静かに……凄く無表情で近づいて来る。
怖い怖い、 来る、 きっと来る……何を考えてんだ俺は。
「はいこれ、 走った時落ちたよ。 ソレは大事な物なんだからしっかりね」
先輩は俺の学生証明書を渡して来た。
ナルホド、 これで名前が分かったのか……でも髪の毛は?
それより、 声だけ聞いてれば優しい感じで何か……感じるのに何でこんな無表情なんだろうか……。
俺は先程考えていたことを思い出し、 勇気を出して先輩に言った。
いや、 告白とかのじゃわなくて、 恐怖に打ち勝つ方の。
「先輩、 ちょっといいですか?」
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