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「先生、起きてください!」
扉をノックする、返事がない
「入りますよ」
扉を開けると、そこは…
「相変わらずのゴミ屋敷」
足の踏み場のないくらいにゴミが散乱した部屋だった
「今日の爆音機は…爆音虫の虫籠とシンバルフラワー、爆竹蜻蛉の羽根…ですか…」
一つ一つが街中で鳴ると騒音騒ぎになるレベルのアイテムなのだが…部屋の主は起きる気配がない
「こういう時は…」
寝ている男の近くに立つ
「せいやぁ!」
見事なエルボードロップが決まる
「ぐぼぁ!」
およそ人から出ていい音ではなかった
「起きましたか?ウィンギィ教授」
「永眠するところだったよ…フィン…」
「嫌なら自分で起きてください、夜更かしをやめたらいいのに…」
「それは無理な相談だ」
ウィンギィと呼ばれた男は腹を押さえながら立ち上がる
「俺は星生物学者だぞ?仕事する時間は夜だ」
窓際には大量の資料と書き殴られた紙が散乱していた
「昨日は星蝶達の羽化があったんだ、見逃すわけにはいかない」
フィンは散乱した紙の1枚を拾う
「蝶達は一斉に羽ばたいた、遥か遠くを目指して、それまるで宝石をばらまいたかのように美しかった…20点ですね」
「これはまた手厳しい」
「表現が人並すぎます」
「それは俺も思ったよ、また後で考える」
「朝ごはんできてますよ、早く降りて来てくださいグリーさんに食べられますよ」
「…今から行ったところで遅そうだ…待っててくれすぐ行く」
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