はじまり

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「あ、フィンじゃーん」 馬小屋から出ると聞き覚えのある声で呼び止められた 「アケノさん、早いですね」 「フィンもね、朝から講習?」 「いえ、先生を起こしに行ってました、ついでに図書館で資料集めでもと、アケノさんは?」 「精が出るね、私はノワール先生の研究室に、どうせ水あげてないだろうし」 彼女は先程、ウィンギィが地獄饅頭(さっき命名)を送り付けた男、ノワールの研究室の助手をしている なんでも故郷が同じなのだそうだ 「お互い…大変ですね…」 「仕方ないかなぁ、ここの教員変人ばっかりだし」 納得してしまった 「アケノさんは今日はどれに出るんですか?」 「ムルソー先生の奇病薬学があるからそれだけ出ようかなって、フィンは?」 「私はマナカ先生の魔獣対抗学に出ようかなって」 「フィンは魔石学とかも出てたけど、成りたいものは見つかった?」 ここウィズダムエルドラドの単位はその学問を一定以上修めた証、そのまま許可証として使用する事が出来、それがないと立ち入りができない地域が存在する、そのため、この都市には商人から狩人、果ては漁師までが集まる そのシステムの関係で、全く出席しないでいい教科というのも存在する 「できることは多い方がいいかなって」 「それだと器用貧乏になっちゃうよ?」 ちがう、私は決めかねているだけなのだ
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