第3章 大貫 幸恵

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うれしくて、やっと皆の輪の中に入れる時が来たんだと思った。 疑いが消え、ハニカミながらプールサイドに立った次の瞬間! 『キャ!』 ??バシャーーンッ! 尾堂直哉が私をプールに突き落とした。 すぐに立ち上がって顔の水を拭うと、周囲が笑いの渦と化している。 『すげ!』 『やっぱデブが落ちるとあんな!?』 『『ハハハハハハッ……』』 数秒前の期待と比べると、水の中にいても顔から火が出るほどの恥辱。 それでも毅然と水中を歩き、ザラザラした感触のコンクリートに手をつき肘を立てる。 当然、救いの手を差し伸べてくれる者などいなかった。 と、その時。 『げ?!』『マジかよ!!』 クラスメイトたちは一斉にプールから出ようと躍起になる。 私のスカートが折れ曲がって、下着があらわになってしまったから。 焦ってすぐ元に戻しても、時すでに遅し。 ??ザワザワ。 『あいつ生理じゃん』『ガチで汚い!』 『ゲロ吐きそう……』         ザワザワ??。 最悪だ。居ても立ってもいられず、その場から逃げ出した。 すると、断末魔のような叫び声を浴びせられる。 全員が男子ならしょうがない。しかし、半分は同じ身体の構造をしている女子。 なぜ私をそんな風に扱うのか。理解と屈辱に苦しみながら、何度目かわからない涙を流した。  
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