第4章 水嶋 辰巳

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12月18日 月曜日 PM6:23 外はすっかり陽が落ちていた。 目の前にある彩矢香の寝顔は、恋心をくすぐる美しさ。 カーテンを開けて見えた初めての景色を眺めながら、自分の身に今起きていることと可能性を、順序立てて論理的に整理してみる。 連夜の悲劇の幕開けは、大貫幸恵からのメッセージ。 大貫幸恵=自殺 そこに書かれていた名は伊達磨理子。 伊達磨理子=伊達事件の被害者=呪いの化身 呪いなんて論理的思考から外れるが、どうやらこの呪縛はホンモノらしい。 だが、明らかに別の手が加わっている。 瀕死の状態にある命を動かし、遺棄する役割をする何者か。 怪しいのは以下の面々。まず……。 開桜中学校3年1組 担任 畑山四郎。 先生は大貫の自殺を知っていながら、警察での取り調べで『彼女から電話があった』とありえない供述をしている。 しかも、尾堂直哉、橋口亮平、梅田はるか、3件とも第一発見者。 遺棄現場に【イジメの末路】というセンセーショナルな血文字を残していることから、動機はおそらく、あの当時イジメを見て見ぬフリをした罪悪感による罪滅ぼし。 畑山四郎=主犯? そして、刑事の浜田と斎藤は言った。 『医学的知識と技術のある者が犯人だ』と。 さすれば、医者を志す山口基弘が怪しい。 山口基弘=共犯者1? となると、星都中で共に行動していた玄一郎太も怪しくなる。 玄一郎太=共犯者2? 他にも、上村康文が言っていた小学時代の大貫の親友。 有村そら=自殺 一体誰がこんなことをしているのか。 そして、動機は何なのか。 分からないことばかりだが、一縷の光は射していた。  
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