第4章 水嶋 辰巳

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『疑いは晴れたんですか?』 『一応、まぁそうだな。数日家から出るなと言われているし、外にはまだ刑事が張り込んでる。今日の夜にまた事件が起こるようなら、完全に疑いは晴れるだろう』 訊けば、昨夜は犯人から動画が送られてきたそうだ。 まだ息のあるはるかの映像と共に、星都中まで来いという内容のもの。 『じゃ、その動画のおかげで?』 『あぁ。私が殺して遺棄した証拠も無いしな』 それでも、声はめっきり弱っている。 人が自ら命を絶つときは、こういう雰囲気を醸し出すのかもしれないとさえ思う。 『水嶋、お前に頼みがあるんだが……』 畑山は言った。 もし今夜も動画が送られてきたならば、自分の代わりに行ってくれないか、と。 『先生、もう誰も死なないと思います。だから安心してください』 呪われし禁断のゲームについては何も知らない畑山。 『本当に? ホントか?!』 『はい!』 明らかに語気が高ぶり、こちらまで感化された。 とても演技とは思えない。 彩矢香は僕が通話を切るまで、料理に手をつけず待っていた。 「どう? 先生じゃなさそう?」 「……ぅ~ん。いろんな意味で、ハタセンじゃないかもしれない」 なんとかのカルパッチョをつまみながら、僕は次の候補を探した。 消去法でいくなら、彼女だ。 『もしもし』 『アカネ? ちょっと訊きたいことあってさ』 藪から棒に感も出さず、すんなりと受け入れる茜。 僕としては助かるけれど、なんだかその受け答えには距離を感じた。 『ありがと。もし美佐子が無事だったら、またみんなで集まろうな!』 『……そのことなんだけどさ、うちとはもう関わらないでほしいんだ』 『え!? 関わるなって、どういうこと?』  
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