第4章 水嶋 辰巳

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ーーバタンッ。 「そうだ。群馬はどうだったの?」 助手席に座った美佐子は早速、エンジンをかける前に話を振ってきた。 僕はしょっぱなからアクセル全開で、呪われし禁断のゲームの信憑性を語る。 「ちょ、ちょっと待って! 呪いを信じろって言うの? マジでウケるんだけど。ナオヤはヤクザで、リョウはドラック。で、はるかは男に殺されたんだって。絶対!」 「…………」 もう、いいや。それでいい。 3時3分になれば身をもって理解するはずだ。 肝心なのは、あれを持っているかどうか。 「ミサコ、鏡ある?」 「ぇ。あるよ」 さすがは夜の蝶。外見はスパンコールのような派手さで、立てかけるタイプの大きな鏡を持っていた。 「それが必要になる。公園で見たアレが現れたら、鏡の中に映して割るんだぞ! いいな?」 こればかりは真剣に訴える。生き死にが懸かっているからだ。 「てか、チョー必死じゃん。やっぱり今日のタツミなんかヘ…」 「私からもお願い!!」 「へっ!?」 運転手のフォローに、ハトが豆鉄砲を食ったような顔をする美佐子。 いつも行動を共にしていた友達だからこそ、彩矢香の一言は別格なのだろう。 「わかった……」 僕が胸をなでおろしたその時、繁華街の喧騒から外れた一角にあるコインランドリーを見つけた。 時刻は2時41分。 この場所で例の時間を迎えそうだ。  
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