第4章 水嶋 辰巳

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一際目立つ店外照明。囲うガラスには一切の曇りがなく、設備の整った店内が筒抜け。 見るからに、まだ産声をあげたばかりのコインランドリーだった。 入口の前に車を停め、改めて明るすぎる中に目をやると、この世界の闇が浮き彫りとなる。 「ぁ……誰か寝てる」 「夜中だとたまに見るよ、ホームレス。新しいところは空調利いてるし」 ーーバタンッ。 僕と美佐子は車を降りた。しかし、なぜか彩矢香が出てこない。 運転席の横まで回ると、窓を少し開けて言った。 「どうせ車に戻ってくるでしょ?」 その視線は寝ている中年男性に向いている。 「あぁ……」 たしかに、中で待つのは気まずい。 「じゃ、財布だけ持っていこっ!」 再び助手席側を開けた美佐子は、シートの上に鏡の入ったバッグを置いて閉めた。 ボタン付きの自動ドア。その音で、仮称のホームレスが目覚める。 僕らを見て起き上がり、しらじらしく備えつけの雑誌を開いて読みはじめた。 身なりは普通で、一見すると浮浪者には感じない。 だが、不自然に多い荷物がそれを物語っていた。 こういう見た目でも家がないんだなぁと感慨にふけるが、それこそ僕とは住む世界がちがうわけで、視野に入れないよう心がける。 美佐子は袋から一着ずつ取り出し、洗濯機に放り込む。 キャビンアテンダントに婦警、白衣の天使と今話題のキャリアウーマンetc…。 様々な職種が1つのドラム槽にまとめられた。 指定された金額を投入し、蓋にロックがかかると、勢いよく水が流れだす。 パネルに表示された所要時間は34分。 「よし、戻ろ!」  
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