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翌日。
火葬された新八の骨を拾ったのは、俺と沙奈、宇治木の3人だけ。
「親戚は全員、遺体の引き取りを拒否したよ」
焼却が終わるまでの時間、宇治木は苦虫を噛み潰したような顔で言っていた。
それは何故か。大人がこぞって取り繕う“体裁”、それが理由だ。
聞けば、警察官僚に弁護士、県議会議員。
代々受け継がれる由緒正しき“兵藤家”の血筋が汚れると、伊達事件の後で新八に対して絶縁状を突きつけたらしい。
「そん゛な……」
悲哀をぶつける沙奈。俺も、この身を焼かれるような心情だった。
「新八さんは何も悪くないのに……」
理不尽さに対しての怒りが、胸の内で激しく燃えさかる。
3人の口数はまばらなだけに、焼却終了の案内放送はやけに大きく聴こえた。
「こちらで遺骨を壺にお移しください」
真っ白な手袋をして、竹と木で組になった箸を差し出す女性スタッフ。
俺が最初に受け取ると、慣れた口調で収骨の作法を教えてくれた。
「故人が三途の川を無事に渡るためです。お辛いでしょうが、気をしっかり持ってくださいね」
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