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「誰かに必要とされたい」
そんな気持ちは女として産まれた以上きっとどこまでも付いてくるのだろう。
縄文時代の女性もそうだったはず。戦える男に捨てられたら生きていけないと理解して、身体を、カラダを使ったんじゃないかな。
多分、その名残が現代にまで続いてるんだ。
そのせいで私は、こんなにも簡単に男を受け入れてしまうんだ。
「可愛いね」「綺麗だね」
私に声を掛けてくる男のこんな言葉はきっと本心なんだろう。
周りと比べて私は間違いなく可愛い。そんなくだらない事には4年前の中学2年の時には気付いていた。
話した事も無い男の子たちから何度も告白されれば、嫌でも私は可愛いんだと刷り込まれる。
「可愛いよ」「綺麗だよ」
ベッドの上で私を押し倒しながらささやくこれにはきっと何も入っていない。
形骸化した、様式美に基づいたルーティーンのようなものだろう。
そんな簡単なことは理解している。
それでも私には、気持ちのこもった「可愛いね」より形骸化した「可愛いよ」の方が気持ちが良かった。
この瞬間だけは、"私" が "誰か" に必要とされている気がした。
もっと 「私を欲して」
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