祓い屋の話

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 次に目を覚ました時、見えたのは真っ暗な世界に広がる満天の星空だった。 『なんか、すごくきれいだ』  ぼうっとした頭でそんなことを考えているうちに意識は鮮明になっていく。隼瀬は草の上に仰向けで寝転がされていた。草の匂いが鼻孔をくすぐる。隼瀬はゆっくりと体を起こし、周囲を見渡した。 「ここは、どこだ?」  夜で辺りが見えないというものあるが、自分が今どこにいるのかわからなかった。 「そうだ、傷は――」  隼瀬は切られた場所に触った。 「なんで、傷が無くなっているんだ?」  服は切られた時のままだが、血が出ていたはずの場所に傷らしきものはない。 「目を覚ましたか」  ばっと顔を上げると目の前にオニが金色の目を光らせて座っていた。暗闇の中で、その目だけが浮いているかのように見えて、不気味だ。 「その様子だと傷口は問題なくふさぐことができたようだ。久方ぶりに術など使うたから違えたかと思ってしまった」  オニは笑いながら言った。 「ここは――」 「待て。己が説明した方が早い」  隼瀬が訊こうとすると、オニが手を上げて遮った。
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