第2章

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腹立ち紛れに家を出てしまったものの、途中で、自分の携帯を台所に置き忘れた事に気付いた。 そして、つくづく、自分は「籠の鳥」だと感じたのだった。 夫の行動が気になって仕方がないのは、過去の浮気のせいでもあるが、被害妄想癖もあり、それが増長すると、ヒステリックになるのであった。 夫とは長らくセックスをしていなかった。 自分から求めるのは恥だと感じていたし、自分にも性欲があるのに、それを上手く伝えられずに、悶々としていた。 家族が留守の時にだけ、夫がこっそり隠して所蔵している無修正のアダルトなDVDを捜し出しては、検閲と称して一人で鑑賞し、気付けば、真似事のように自慰行為に耽り、快楽を貪り、果てていた。 しかし、いつも虚しさが残り、淋しさは募る一方だった。
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