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初めて思いを伝えた「好きです」と、彼女から返ってきた言葉に耳を疑った。
「え、と…誰ですか?」
まるで幽霊でも見たかのような顔をしていた。
ガツンと頭を殴られたような衝撃がはしる。
何も言わず立ちすくむ僕を見て、彼女は走り去った。
追いかけないと…そう頭では思うが足が動かない、あまりにも衝撃が大きすぎた。
そりゃあいきなり声かけたのは悪かった、でも「誰ですか」はないでしょ?
あんなに何度も会ってたのに、何度も目もあってたでしょ、話もした、なのに何で君は覚えていないんだい?
はっとして周りを見渡したが彼女は何処にもいない。
彼女の家は知っている、家族とマンション暮らし。
家に入られてはそこで終わってしまう…。あぁ、そうか、彼女はただ照れていただけだ、だからあんな素っ気ない返事だったんだ。
先に家に行ってもう一度伝えよう、そう思い彼女のマンションまで近道を通り走った。
マンションの近くで隠れ、周りを見渡すと足早に歩いてくる彼女を見つけた。
マンション近くの路地、ここなら人がいないから彼女も恥ずかしがらないだろう。
路地に近づいてきた彼女に声をかけた、しかし彼女は、僕を見るなり急いで逃げようとした。
思わず手が伸びた。腕をつかんだ瞬間彼女が叫んだ
「…ッ、ちょっと止めて気持ち悪い!」
カッと頭に血が上り、自然と彼女の首に手が伸びていた。そのまま押し倒し、両手で彼女の首を絞めた。
倒れた拍子に頭を打ったようだが、頭は真っ白、怒りにまかせ首を絞めた。
彼女はもがきながら何か言っているようだが、耳に入ってこない、あるのは苛立ちのみ。
片手の親指で顎を押し上げるようにして力を込め、体重をかけた。
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