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宇宙戦艦ハンニバル
結局、その後は抵抗らしい抵抗も受けず、俺たちは中央制御室にたどり着いた。
「無駄な抵抗はやめて直ちに降伏しろ」
中央制御室は二〇名ほどの座席と軍艦を動かすための機器がびっしりと詰まった狭苦しい部屋で、軍用拳銃を構えた一〇人ほどの生身の兵士が俺たちを出迎えた。
艦長と思われる初老の士官と若い男性士官以外は女性の兵士ばかりだった。
俺たちが直ちに自動小銃を斉射しなかったのは、むやみに人を殺したくないという感情以外にも発砲をためらう理由があったからだ。
下手にここの精密機器を傷つけたら、ハンニバルを動かすことができなくなる。
しかし、そんな俺たちの配慮を無視するかのように軍用拳銃が一斉に火を噴いた。
機甲歩兵相手に拳銃による銃撃など無駄だというのに。
「どうすんだよ、テツ」
ダンの疑問に俺は行動で答えた。
推進剤を使って艦長と思しき男のところへ一瞬で移動すると、必死の抵抗をものともせず、片手で首を掴んで吊り上げた。
生身の人間と機甲歩兵では勝負にならない。艦長と思しき男は俺の手首をつかみ、俺のヘルメットを蹴りまくって抵抗したが、血流が止まり顔がみるみる青ざめていった。
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