ハーフ料金の部屋

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 とはいえ、まぁ俺の生活スタイルを考えると17時から5時まで、別にそこまで悪い生活ではなかった。だってどうせ家にいたって夜飯食って寝るくらいだし、下手すれば3時くらいから起きて遊びに出たりしてるわけだから、まぁ別に悪くはない。  幸い、駅前ということで24時間営業のカラオケボックスだとかネットカフェだとか、最近はレンタルビデオ店だって24時間営業のところがある。  呼んだときに来てくれる友人だっていないわけではない。  だから、まぁ、家賃安めならいいかも……?  そんなことを思おうとした俺は、たぶんそこそこ楽観的か現実逃避がうまいか、そのどちらかだったのかも知れない。  確かに、俺の予想は大体合っていた。  まぁ、わりといい暮らしだ。  友達も呼びやすいし、まぁ合コンで意気投合した子とも、まぁそれなりにいい時間を過ごせた。  ただ、やはり「ハーフ」の弊害はやってくる。  越してきたその日から、そして、もちろん今日も。 「はーい、じゃあそろそろ5時になるから掃除してー、できるだけここにいたって証拠残さないようにね、あと12時間は手塚(てづか)くんの部屋じゃないから」  毎夜毎晩、これである。  10万年以上生きている悪魔閣下たちの名曲ではないが、毎夜毎晩悲鳴じみた叫び声をあげたくなるような状況である。  まぁ、自分で全部やれって言われないのと家財道具が据え置きで持ち出す必要がないってのがあるからまだマシだが、それにしたって手荷物をまとめるのはめんどくさい。そんな状態でも3ヶ月暮らしているのは、まぁ他にここより条件のいい物件がないからで……。  だから、これはきっと些細な反抗心だった。  荷物をまとめるとき、大家が点検した本棚の裏に手紙を貼り付けておいたんだ。  『ここにこうすれば、やり取りできますよ』と。
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