幸せにな(課長のパターン)

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「…財布とスマホ何処だ?」 社内に設置された喫煙所と接する自販機の前。 ポツリと独り語ちたのは総務部課長、紅竜二郎だった。 昼飯も食べ終わり、食後に一服しながらコーヒーでも飲むかと買いに来たらこれだ。 いつもはスーツのポケットに差し込んだままの貴重品がない。 大方、何らかの理由でデスクの上に置きっ放しにしたのだろう。 一端戻るか、と踵を返そうとしたその時だ。 横からコイン投入口に手が伸びたのは。
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