ミイラとりがミイラに。

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なのに古村さん、日に日に可愛くなっていくんだもん。 溜息つきながら仕事して今まで絶対しなかった凡ミスやらかしたり。 ぼんやり考え事をしてるかと思ったら急にファイルに赤い顔埋めたり。 極めつけはアレだな。 彼女が広瀬にこっそりと額にキスされた時。 給湯室に逃げ込んで呟いたセリフ。 「…これ以上好きにさせないで…」 蚊の鳴くような声だけどハッキリ聞きとりました。 もう何この愛おしい子ってキュンキュンしちゃったワケよ。 常々が能面みたいな彼女が恋愛感情に振り回されて綺麗になる。 反則だって、そういうの。 そりゃ俺も真剣になるわ。 二回迫って駄目だったけどね。 でもどこかホッとしたんだよね~。 俺みたいな男に脇目も振らず自分の恋に一途な彼女に。 流石! 流石俺が惚れた子! みたいなね。 ――ん?その方がよけい燃えるだろって? …あー、其処でそれ言う? まー… そうね。うん、障害はあった方が俄然やる気になるよね。 人生何があるか分からないでしょ?
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