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給湯室
「『昨日はスイマセンでした…』…って、なんで俺敬語?散々タメ口きいちまってたからなァ」
社内の廊下。
スーツ姿の蓮は、ブツブツと謝罪の言葉を考えながら歩いていた。
向かう先は今、波が居るだろう給湯室だ。
「『ま、昨日の事は水に流そうや』…駄目だ。どんだけ見下してんだよ」
散々悪口をいった挙句濃厚なキスまでしたのだ。…や、アレは同意の上だから…。しかし、キスを仕掛けた理由は、只の嫌がらせだったと波は気付いているだろう。
…今考えると、昨日自分が先輩である古村波に仕掛けた行為は最低な物だ。
早々に許して貰える事は出来ないかもしれない。
蓮は、発展しそうなネガティブ思考から考えを逸らす。
「グダグダ云ってても何も始まらねェじゃねーか」
そのまま蓮は足を進めた。
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