こんな過去もまた幸せ

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30代後半の私には、現在2人の子どもがいる。上は息子。下は娘。とうに可愛い、可愛いと猫可愛がりをしたくなる程の素直さも愛らしさもなく、どちらも思春期真っ只中で、話しかけると……。 かたや息子は、「ウザイ」と言うか、「あーうん」と言う返事が多く、それでもこちらが学校生活や部活動の質問をすれば、それなりに話してくれるが、基本はゲーム。 かたや娘は、「お母さん、あのね」と自ら話しかけてくれるし、手伝いも進んでやってくれるけれど、気分屋で「めんどくさい」と話題をぶった切る事もある。 「ママ大好き」 なんて無条件に好意を表してくれることなど、もう欠片も無い。ついつい、こっちが息子と娘に「お母さんは、あんた達が大好きだけど、2人はお母さんの事、好き?」 と尋ねて「そんなん答える必要無いから」とか「あーはいはい」とあしらわれるという状況。虚しいけれど、これもまた成長だろう、と諦めるのがここ数年の私。 実際、私が思春期真っ只中の頃を思い出せば、こんなものだったかもしれない。とは解っているけれど。いざ、自分が親になると、かなり寂しいものがあるんだなぁ……なんて。自分勝手なな心境に陥る。とはいえ。今でこそこんな心境に陥るものの、それは今だからこそ、なのかもしれない。
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