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ポーラに必要なものは、希望であった。
「運命よ、そこをどけ」
彼女にそう言わしめることが可能なのは、未来への強い願望に他ならない。
私は、ふと思い付いたアイデアを実行してみることにした。
彼女の親友である仔熊のぬいぐるみ、フェルカにひと肌脱いで貰おうと、私は彼をロンドンに連れて行った。
学会で久し振りに会った友人のアルバートは、私の持っていたぬいぐるみを見て
「よう、随分顔に似合わないものを持っているな。パブのお姉ちゃんへのプレゼントかい?」
などと軽口を叩いていたが、私の計画を聞いた彼は喜んで協力すると言ってくれた。
私が託した布製の使者を大切そうに抱え、彼はニューヨークへ帰って行った。
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