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ところが、あるときから、フェルカからの手紙が途絶えてしまいました。最後に送られてきた手紙、それは香港からのものでしたが、どうやら風に飛ばされて、彼は海に落ちてしまったようなのです。その文面には、謝罪の言葉が並べられていました。
「気にしないでください。彼は泳ぎが上手だし、きっと無事に帰ってきますから」
ポーラは手紙の差出人、ティンティンさんにそのような手紙を送りました。
とはいえ、フェルカからの手紙が届かなくなって一月が経ち、三月が経ち、そして半年が経とうとしていました。
「もうフェルカには会えないのかな……」
窓の外を見つめながら、ポーラは寂しく思っていました。
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