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「この子って?」
「はぁ~本当に忘れたんだ──この子はシンジがくれた宝物だよ!」
(ボクがこれを、ねぇ)
シンジがネックレスを見つめると少し赤く光った気がした。
「やっぱりシンジだ!今光ったもん!」
ネックレスの星形をした宝石が少し光るとやっぱりと確信したのかそうシンジに強く言う。
「そうか、でもごめんね!君のことは本当に憶えてないんだ」
「そんな──嘘だよ!だって約束したもん!6年前のあの日5人で一緒に円卓を目指そうって!」
なんども否定されてなのかアイは少し涙ぐみながらそう言う。
(円卓──確かリバティ・サン王国の護衛部隊最上級の称号だよね、そんな高みを目指す約束?6年前なら10歳か、確かにその年齢くらいなら夢を語り合うことくらいはあるかもしれない、でも──いや、ここは正直に記憶喪失を起こしたって言った方がいいかよね?)
アイの表情を見て少し情が移りかけ、シンジはギシンにそう聞いた。
「どうだろうな?ここまで見て疑ってるわけじゃないがこいつ本当に信用できるか?」
(それは──そうだけど、でも!少なくとも敵ではないことは分かる)
「なら好きにしな!だがよ、責任はお前が取れよ?」
「あの!ボク──その記憶喪失を起こしたんだ!」
「そんなの信じられるわけないじゃん!シンジのバカァ!」
アイは涙を流しながら街中の方へ走っていった。
「あーあ、泣かした」
(そうだよね、6年ぶりに再会したと思ったら否定されてその後に記憶喪失なんて言われたらショックすぎて正直ボクでも耐えれないと思う)
「どうする?放置でもするか?」
(ううん、あの子を追いかけるよ!こうなったのもボクの所為だし)
「それでこそシンジだ、行こうぜ!」
シンジもアイを追いかける為街中へ走っていった。
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