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「奴らの目的はなんだ?」
仕方なく少年の向かいに腰掛けた研次は目だけで素早く周囲を確認する。
『気を抜けば天井から仕掛けられた“何か”が襲って来るかもしれない。』
屋台での一件が元々強い彼の猜疑心をより深いものにさせていた。
それ故にそのあとの思考はここからの脱出に備える為の情報収集と逃走経路探しに傾いている。
「・・天井から何も落ちてはきませんよ。それに誰も貴方を貶(おとし)めたりしません。」
落ち着きなく目玉を動かす研次に少年は少し呆れたものを混ぜた笑顔で諭(さと)した。
『!!・・このガキ、勘がいいのか!?』
「ブレイモノメ!」
研次がそう思った刹那、御側(おそば)付きの男が咆哮し、棒を右肩に担ぐように持ち変え、一気に前に出る。
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