価値の逆転

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「・・来世って色々選べるんですか?」 まずは情報である。この世界の規則や仕組みを知らなければ始まらない。 そのうえで自分の足場を作り、交渉しなければ相手のいいようにされてしまう。 そう感じた研次は直感的に出来うる限り岐司からそれを引き出すことにした。 「ええ、その人の持つ徳に応じて許される範囲内ですが、人によっては金銭に困りたくない、飢えたくない、愛した異性とまた巡り会いたい、といったところから珍しい名前で生を受けたいと要望する方もおられます。」 『またそれか!?』 研次は“徳”という単語に辟易していた。ここに来てから苦痛と共に屈辱的な体験を味わわされているが、身に覚えのない原因としてそれが絡んでくる。
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