キミの温もりを背中で

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いくら涼介が小柄で軽いっていっても、やっぱり男だからこぎ始めてしばらくすると、汗が出てくる。 「あちぃ」 「ガンバでぇーす」 涼介は笑いながら、それでも俺が暑いのわかってるから少し離れる。 その少しの隙間から冷えた風が入ってきて、気持ちいいことは分かってるんだけど。 やっぱり、寂しくて。 「くっついてないと、寒いでしょ?」 「だって、学、汗くさい」 「誰のせいだと思ってんの!」 「人のせいにしない」 涼介は笑いながら。 「ねぇ」 「何?」 学は、マジでオレとしたいの? はぁああああああ!!!!!! 突然の爆弾発言に驚き、急ブレーキをかける。 「あっぶねぇーな!」 「ごめっ!!って、今、なんて言った?!」 俺は振り向き、涼介に聞く。 涼介は、にっこり笑って。 「したいか?って聞いたんだけど?」 爆弾発言は嘘ではなかった。 「え?は?何?」 「だから、何回も言わせんな、バカ!」 涼介は、真っ赤な顔して俺の頭を叩く。 そんなの全然痛くなくて。 言われたことを理解する方で、精一杯。 「マジなの?」 「マジだよ」 「え?いいの?」 「だから、何回も言わせんな!いいか、もう一回聞いたらナシだからな。オレとしたいのか?」 「したい!」 涼介は、にっこり笑って。 「早く帰ろうぜ」 「うん。しっかり捕まっててよ!!」 俺は目一杯漕ぎ始めた。 涼介は落とされないように、俺にしっかりと抱き着く。 そして。 「したいしたいばっか言わねぇで、好きって言ってみろ」 小さな声で言うから。 「俺、涼介が大好きぃ!!!」 って、でかい声で叫ぶと、思いっきり背中を殴られた。 おわり
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