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 その日部活が終わってから僕は、一人放送室で台本を練習した。一人なら読める。来週はちゃんとできるだろうか?  その時、僕の携帯が鳴った。倉成先輩だ。 『バカー! キレるぞテメー!』  恐いなあ! 電話をかけてくる時はいつもこんな感じだけど、さすがに今日はいつにも増して恐かった。 「すみません! 来週にはちゃんとやれるようにします!」  お互い挨拶も何もなく、僕はひたすら謝っていた。 『ホントでしょーね?』 「多分。今、練習してますから」 『多分ー? あのねー高田かなりヘコんでたからね。告らなきゃよかったって』  そんな! 「高田先輩は何も悪くないですからヘコまないで下さいって言っておいて下さいっ!」 『自分で言え』  悪くない、高田先輩は。僕が当たり前のことができないのが悪いんだ。  電話の向こうで倉成先輩は溜め息をついた。 『それにしても高田も牧野もワケわかんないよなぁ、吉水のことカッコイイなんて』 「え? 高田先輩もそう、言ってたんですか?」  どこがどうしてかっこいいなんて? 本当に訳がわからない。 『言ってるよ。あいつら美的感覚が桁違いにズレてんだよ。あたしなんて吉水のこと、男だとすら思ったことないってのにね』     
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