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 次の日。朝に高田先輩に訂正された台本を渡された。辛い思いで目を通す。  僕のセリフは、変わっていなかった。変わったのはほんの少し。  『嘉藤』を『吉水』に変えたときのように、『高田』が『牧野』に訂正されている。 「先輩」 「この放送は吉水目当てで聴いてる人が多いからね。吉水のは変えないで、ちょっとやってみよう」  水曜の分、木曜・金曜の分と、収録は何の問題もなく終えることができた。  スタジオの防音されたガラス越し、高田先輩は穏やかな表情でずっと収録を見守っていた。
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