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本人にその意志があったか?どうか?は別として……。
「 まさか…… 。
仕掛けたのは此方だ。返り討ちにあっても恨む筋じゃない。況してや、母上は最後には正気ではありませんでしたからね。」
テーブルに左の片肘を付けて、手の甲に顎を乗せたヴィオ=ラス長老は薄笑いだった。
アイリーン=エル様の悲劇。しかし、彼は悪びれている様には見えなかった。他の長老は複雑な顔を作る。
魔界だから? 悲劇も不幸もてんこ盛りだ。
そして、我等魔族を持ってしても未だに解明されないミステリーもてんこ盛りである。
マリン=エル様の存在自体も長らく謎のまま…… 。
「 で?
どうしてこの娘はあなたの元に? 誘拐でもしたの? 」
…… なんだか面接というより取調室の事情聴取の雰囲気だ。
退屈なのか、幼いマリン=エル様は亀と話をしている。
「 何を話しているのかしら? 」
「 昔のコトですよ。」と、亀は応える。
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