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「 貴様! その娘、何の為に連れて来た! 」
「 何を言ってるんですか!? あなた方わ。」
怒鳴り合いになっていたな。
思い出すと コント見てるみたいで、いつも笑う。
ああ、もうお茶がないな。新聞も読まずにテーブルに置いたまま……。南向きの窓からの陽が、居間の中央近く迄届き、室内の温度も上がってくる。茶の地に縦に並んだ花のモチーフ柄の布張りのソファーの中で、わたしは古い思い出に浸りきっていた。
ヴィオ=ラス様は、
「 魔力等スーパーのワゴンで売るほどありますよ。
貴重な神の力、失してどーーする!? 」
と、続けた。
長老達のいさかいを、面接会場の入り口の壁の外に潜むわたしは、ポリポリと小鼻を掻いて聞き入っていた。
が、その時とんでもない、恐ろしい事を聞いてしまった。
「 そー言えば、以前、卒業生を高値で誰ぞに売ったとゆー、情けない噂がが立ちましたよね?
誰の仕業です? 」
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