EP 2 過去視

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 ー ドキッ!? ー    わたしは、ずずず~と壁に凭れたまま崩れた。  「 そんなぁ……? 非道い。わたしも売られるかも? 」  とぼやきの声は、  「 誰ですかーーー!?  今の “ ドキッ!? ” はーー!? 」  の、ヴィオ=ラス様の声でかき消された。  「 ワシではない。」  と、唐突に新聞を読み出すイフシガス長老。  「 わたしでもないわ。」  と、何の脈絡もなくアルタナ長老は刺繍を始める。  「 僕でもありませんよ。」  と、扇子を広げたヴィオ=ラス様も目を細め、しれっと応える。  ー 恐怖に戦くわたしの心臓の音ですよ! ー  所詮は魔教のアカデミー。  アカハラ、パワハラ、セクハラは当たり前。その中て自分の身を守りながら、卒業迄のサバイバル……あぁ……。  どうやら、わたしの過去視は成功したようだ。マリン=エル様入門時のエピソードの一コマを “ 視る ” 事が出来た。別にそれを狙っての自主トレではなかったが……。  
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