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「 じゃあ、どうすればいいのでしょうか? 」
それに答えてくれたのは、ヴィオ=ラス様だった。
「 君…… 、ひょっとして失敗したと思って途中で魔術を中断したでしょ?
本体が来てないって事は、まだ魔術が継続中って事ですよ。空震のせいで意識が入り過ぎちゃてるんじゃないですかね?
戻って最後迄やりなさい。空震もそんなに長く続かないですしね。」
ホッとした。
過去に迷い込んでしまったら、元の時代に戻れるか分からない。わたしは数百年後の世界の者だ。
「 あの…… 、あなたがヴィオ=ラス様ですか? 」
間違いはないだろうが、確認の為だった。
「 ああ、そうだ。」
…… 。
「 では、戻って魔術の続きをやります。
長老様方、ありがとうございました。」
「 未来でまた会おう。」
と、軽く手を振ってくれた。
わたしはそこで彼らと別れ個室へと戻った。
個室のドアを開けると、
そこには燭台の蝋燭の火がついたままだった。
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