EP 2 過去視

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 あの揺らめく橙色の灯りが。  …… 確か消した筈。    その時代の誰かが使用していたのなら、その誰かが居なくてはならない。し、中央のテーブルの上の魔方陣も、剣もコップも聖石も映し鏡の台の模様も、間違いなく自分の物だった。  そして、映し鏡には、  三人の長老が先程の部屋に置き去りにした幼いマリン=エル様を迎えにゆく姿が映っている。    わたしは、ちょっと混乱した。  燭台の火を消し個室を出た。  その時、映し鏡には何も映ってはいなかった。  魔術は継続中。  では、個室を出る前からわたしの意識だけ、過去に戻っていた、  と言う事だろうか?  個室に戻ったら、燭台の火はついていて、鏡には過去の映像。  わたしは、今閉めたばかりの背後のドアを振り向いた。  わたしがやっとくぐれる細長いドア。あのドアが空震のせいで、過去と未来を繋いでしまったのだろうか?  映し鏡に目をやると、  アルタナ=ベル長老がヴィオ=ラス様の背中越しに言っていた。
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