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「はぁ……」
私は盛大なため息をついた。
同棲中の彼氏、駿と喧嘩してしまった……。喧嘩の原因はテレビゲーム。ふたりの休みがかぶるのは久々で、私は久しぶりにデートがしたかった。デートが出来なくてもイチャイチャしたかった。
でも駿は朝ごはんを食べてからずっとゲームしてばかり。デートしたい事を伝えると、「午後な」と言ってくれた。だから私は午後になるのを待ったし、お昼ごはんだって駿の大好物を作った。
なのに駿はご飯が終わるとまたゲームを始めた。
カッとなった私はゲームのコンセントを抜いたのだ。
それからは大喧嘩して駿は出て行ってしまった。
「はぁ……」
何度目か分からないため息をつく。
謝るにしてもこっちから謝るのはなんか癪だし、そもそも駿はスマホ置いて行っちゃったし……。
「はぁ……、これで別れるとかなったらどーしよー……」
どうしても悪い方へ考えてしまう。
「ただいま……」
駿が帰ってきたけど怖くて顔を見れない。駿は私の近くになにか置き、部屋を出た。
顔を上げて駿が置いたものを見る。
「これって……」
置いてあったのは『さっきはごめん』と書かれたメモが貼り付けられてある小さな紙袋。
メモをめくると若い女の子に人気の雑貨屋さんの紙袋だということが分かる。
「あのさ……」
「うわっ!?」
いきなり声をかけられ、思わず驚く。
「あ、ごめん。おどかすつもりなかった。さっきはごめんな?それ、開けてみて」
言われて開けるとずっと気になっていたバスボムが入っていた。ひとつ500円とお高めでなかなか手が出せないでいた。
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