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ナツキの問いに、ヒロキの顔が引きつる。
「いや‥‥そうとも言えないんだ。アメリカに居た時に『ヘンな噂』を耳にしてさ‥‥もしも『そう』なら、相手はトンでもない集団なんだよ」
ヒロキの指が何処となく震えているのが分かる。
「分かんないけど‥‥だったら、警察に事情を話して保護をお願いとかすれば、安心じゃん?」
「‥‥信用ならないよ、そんなの。だって警察の中に同調者が居たら終わりだしさ。ボクは『万が一』にも殺されたくは無いんだよ。だから身の安全が確保されるまでは、じっとしてたいんだ。頼む、協力してくれよ!」
再び、ヒロキが拝むような格好をする。
「えぇ‥‥そんなぁ‥。あ、だったらお母さんにだけは『内緒』で‥‥」
「ダメだって!『そこ』がイチバン危ないんだから!『あの人』のアダ名って知ってるだろ?『拡声器一体型高感度マイク』だよ?聞いた事はどんな秘密であろうとも、あっと言う間に広めちゃうんだから!」
うーむ、とナツキが腕を組んだ。
それは‥‥否定出来ないと思う。ナツキ自身も色々とビックリするような目に遭って、ヒロキから謝罪された経験があるのだから。
「本来なら‥‥と言いたいところだけど、アンタの生命が掛かってるからねぇ‥‥」
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