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22世紀頃になるとナノ・テクノロジーの進化によって、あらゆる科学は『収斂』と言われる状況に入った。あらゆる工程がモジュール化され、まるでそれらをブロックのように組み上げる事で『あらゆる機械』を自在に組み立てる事が出来るようになったのだ。
そう、航空機でさえもだ。
この時、重要な役割を果たすのが『スペック』と呼ばれる高々度AIである。
人間は『リクエスト・ペーパー』と呼ばれる特殊な用紙に『何がやりたいのか』や『それらをどのように運用したいのか』を記述する。その後、それをスペックに読み込ませると、スペックは必要なモジュールとその組み立て方や運用方法を自動で解析し、人間に提示するのだ。
後は、スペックの指示通りにモジュールを集めて組み上げれば『完成』である。
そのため、完成度の高い『リクエスト・ペーパー』さえあれば、あらゆる設備で安全で確実な運用が保証されるようになったのだ。
無論、航空機の『それ』はあらゆるリスクに対応した最高レベルのリクエスト・ペーパーが使用されており、これの運用が拡大された事で航空機事故は過去の物になったと言って良かった。
「あぁ‥‥今日も良い天気だな‥‥」
コクピットの窓から、機長が外を眺めて呟いた時だった。
グイ‥‥ン
背後でコクピットの扉が開く音がする。
「ん?CAか?」
副機長が振り向いた。
「だ‥‥っ!誰だ貴様はっ!どうやって扉を開けたんだっ!?」
副機長の大声に、機長も慌てて振り向く。
「‥‥。」
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