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3ヶ月前、ヒロキが『3ヶ月ほどアメリカに出張になる』と言ったときにはナツキから『向こうでキレイなネーチャンと遊んでくるつもりか?』と散々と文句を言われたのだ。
「イヤミ?何の事か知らないけど。でも『大事な彼女』に寂しい思いをさせてまで出かけたからには『それなりの成果』はあったんでしょうね?」
3ヶ月間、ヒロキはナツキからのメールにも返信したり・しなかったりだったのだ。
「う‥‥返信が遅れたのは謝るよ、何しろ忙しかったからさ。けど、『成果』はそれなりにあったつもりだよ?‥‥機密事項だから、詳しくは言えないけど」
ナツキはチラリ、とヒロキの方を振り返って再びリクエスト・ペーパーに目を転じた。
「機密って言ってもリクエスト・システムの話には違いないんでしょ?」
「あ、ああ。それはそうだよ。何しろボクの専門なんだし。このシステムには、まだまだ可能性があると思ってるからね。ボク達はその可能性を追求したいんだよ」
「ふー‥‥ん?」
ナツキは何処となく関心が無いようだ。
「‥‥ああ、そう言えばさ。アンタがアッチに行ってる間にヨシミが結婚したよ。知ってた?」
「え?ああ‥‥ヨシミか。そ、そうか‥‥知らなかったな‥‥ま、良いんじゃない?幸せになってくれれば」
ヨシミはヒロキの元カノだ。
「あ、そう。そういう感想?未練とか無いワケ?」
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