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そして、月夜の闇にモーター音を響かせながら大きな人形の『戦闘モード』へと形を変えた。
「何を・・・する気なんだ?」
「決まってるでしょ?ケンカよ、ケンカ。と言っても旅客機を墜落させるほどの力はアタシには無いから、アンタの相手はこの『ジュリエット』よ。これでアンタとケンカしようってワケ。それで目出度くアンタが勝ったらアタシが『自殺してあげる』わ。その代わり、アタシのジュリエットが勝ったら『素直に警察行き』よ。それでどう?それならお互い『スッキリ』するんじゃなくって?」
なおも、ヒロキは躊躇しているようである。
「‥‥戦わない、という選択肢もある」
「『その場合』は悪いけど、アタシの不戦勝にさせてもらうわ。異論は無いわよね?アタシもそこまで付き合う気は無いから」
ジジ‥‥
ジュリエットのカメラ・アイはハッキリとヒロキを捉えている。
「‥‥いいだろう。ボクにも、人類とリクエスト・システムの未来のために『覚悟』を決める時が来たようだ」
その頃、事故調査委員会では『ヒロキ・ニッタ』の詳細情報の特定が進められていた。
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