捜索

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捜索

ピリリ‥‥ピリリ‥‥! ナツキのスマート端末に着信が入る。表示はヒロキの母親になっていた。 一瞬、ナツキは『出ようか、止めようか』躊躇した。今、電話に出ても楽しい会話になろうハズもなく。だが、それでも無視というワケにも行くまい‥‥と覚悟を決めて受話ボタンを押す。 "もしもしっ!ナツキちゃん?!" やはり、ヒロキの母親はパニック状態だ。 「‥‥はい、ナツキです。あの、テレビ‥‥見てました‥‥」 ナツキにも、それを言うのが精一杯だ。だがせめて、事故の事を母親の口から語らせたくは無かったし、正直なところ聞きたくも無かった。 "何だか‥‥私、どうして良いか分からなくて‥‥ゴメンね、他に話が出来る人が居なくて‥‥" 電話口の向こうで泣きじゃくっているのが分かる。 「‥‥とりあえず、まだ何も確定してませんし‥‥これからの発表を待ちましょう。もしかすると、搭乗者名簿に名前が在っても乗っていないかも知れませんし、同姓同名の他人という事だって有り得ると思いますから」 無論、それらの『可能性』が極端に低い事はナツキだって充分に理解している。     
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