第2章 ハプニング

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幅もあるし、長さも……恐らく2メートルはあるだろう。 重さだって200kmは絶対超えてる。 こんな大きなバイクを女性が運転してるなんて信じられない。 それに、座る所からハンドルまでなかなか遠い。 「手届くのかこれ?」 見た感じ、すごく運転しづらそうだが。 「……」 ちょっと、乗ってみてもいいかな。 彼女はまだシャワー浴びてるだろうから下に降りてくることはないだろう。 俺は好奇心に動かされ、目の前の大きなバイクに跨った。 跨ってみると、想像していたよりハンドルまでの距離が近く、ちょっと前屈みになれば肘を曲げて楽にハンドルを掴むことができた。 「こうやって運転すんのかー。かっこいいな」 カンカン照りの夏も、道路が凍っている冬も、バイクが走っている光景は見かける。 事故ったらた大怪我は当たり前だし、車の方が絶対楽なのに……と思っていたが、こうやって乗ってみるとそれでもバイクに乗りたくなる気持ちが少し分かる気がする。 そしてどこか懐かしいような……。 そう思った瞬間、ガチャ、と何かが落ちた音がした。
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