第2章 ハプニング

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「そうですね……俺あんまりバイク詳しく無いんですけど、なんかこう……しっくりくるなぁーって感じがしました」 「……そりゃそうだよね」 「え?」 「こっちの話」 意味がよく分からなかったが、それ以上聞こうとは思わなかった。 俺は話題を変える。 「'クナイ'って名前かっこいいですね」 「うん」 彼女はフロントのとんがった部分を撫でながら続けた。 「ここ尖ってて、後ろはちょっと丸いでしょ?忍者のクナイみたいに」 「え?それでクナイ?単純ですね」 ははっ、と思わず笑う。 すると、彼女もつられて微笑んだ。 「ほんと単純だよね」 初めて見た笑顔は可愛くて、今まで無愛想な表情しか見てこなかったからなのか少し胸が高鳴った。
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