第3章 興味

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人気No.1商品はクッキーシューで、毎日開店前に列が連なって午前中には売切れてしまうらしい。 箱を開けてみると、予想していた通り、あの人気商品クッキーシューが4個も入っていた。 「超人気商品ですよね!並んだんですか?」 千紘さんは照れ隠しなのか前髪を触りながら答える。 「まあ……並んでみました」 「俺のためにありがとうございます。すごく嬉しいです」 「伸也さんのケーキすごく美味しいから、洋菓子あげるのもなんかなーって思ったんだけど……大丈夫でした?」 「もちろん!いろんなお店の料理やお菓子を食べるのは勉強にもなりますから。それに俺のケーキを美味しいだなんて……ありがとうございます。折角買ってきてくれたんですし、一緒に食べましょう」 俺はカウンターの食器棚からケーキ用プレートを2枚取り出し、その上にクッキーシューを1個ずつ置いた。 アイスコーヒーも、俺と千紘さんの分を淹れなおす。 「いただきまーす」 2人同時に、クッキーシューを1口頬張る。 サクッとした食感の後に口の中に広がる甘いカスタードクリームの味。さっぱりしているのに濃厚で、とてつもなく美味しい。 「美味しいですね!」 「うん。すっごく美味しい」 あまりの美味しさに笑顔がこぼれた。
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